広島高等裁判所松江支部 昭和32年(う)129号 判決
ところが原判決を見るに、同判示第一、第二はいずれも強姦致傷の事実を認定しながら、法令の適用において同法第一八一条第一七九条第一七六条前段を掲げ、強制猥褻致傷の法条を適用しているのであるから、原判決はこの点において法令の適用に誤りがあるというべきである。しかし、強姦致傷及び強制猥褻致傷の所為の各処罰規定はいずれも同法第一八一条であつて、第一七六条該当所為による致傷か、第一七七条該当所為による致傷かは、第一八一条の構成要件の内容をなす規定の相違に過ぎず、その犯情を評価する上において両者間に異るものがありとしても、右法条の誤りは構成要件の内容をなす規定の適用を誤つたものではあるが、結局処罰規定は同一で、法定刑には影響はないのであつて、本件における右法令適用の誤りは、未だもつて判決に影響を及ぼすことが明らかなものとは認められない。
(裁判長裁判官 三宅芳郎 裁判官 藤田哲夫 裁判官 竹島義郎)